淹れる
レシピ
急須で淹れる以外の使い道です。冷やす、炒る、炊く、食べる。どれも専用の道具は要らず、フライパンと鍋があれば足ります。余ってしまった茶葉や、淹れ終わった茶殻の始末も兼ねています。
水出し煎茶
約4時間1L(4〜5杯)
湯を沸かさず、冷水で抽出します。渋みがほとんど出ず、甘みと旨みが前に出ます。夏のあいだ冷蔵庫に常備しておけます。
材料
- 煎茶の茶葉 10g(大さじ2程度)
- 水 1L
- 1Lの冷水ポット、または茶こし付きのボトル
作り方
- ポットに茶葉と水を入れてください。茶葉は袋のままでも、直接入れて後で濾しても構いません。
- 冷蔵庫に入れ、3〜6時間おきます。時間が長いほど濃くなりますが、渋みは出にくいままです。
- 茶葉を取り出すか濾してください。入れたままにすると、飲みきる頃には渋くなります。
- よく振ってから注いでください。濃い部分は下に溜まります。
コツと注意 — 低温では渋みのもとになる成分が溶け出しにくいので、長く置いても苦くなりません。ただしカフェインは減るだけで、ゼロにはなりません。作った日のうちに飲み切り、茶葉は必ず取り出しておいてください。深蒸しより普通蒸しのほうが、澄んだ水色になります。
氷出し玉露
約40分30〜40ml(1杯)
玉露に氷を乗せ、溶ける水だけで淹れます。出てくるのはほんの数十mlですが、旨みだけを取り出したような味になります。
材料
- 玉露またはかぶせ茶の茶葉 3〜4g
- 氷 3〜4個
- 浅めの茶器(宝瓶や小さな急須)
作り方
- 茶器に茶葉を入れ、平らにならしてください。
- 氷を茶葉の上に乗せてください。湯は加えません。
- そのまま30〜40分おきます。氷が溶けて、茶葉を少しずつ濡らしていきます。
- 溜まった数十mlを注ぎ切ってください。一口で飲む量しか出ません。
コツと注意 — 低温で長く漬けるほど旨み成分が優位になる、という水出しの理屈を極端にしたものです。玉露の値段を考えると贅沢な飲み方ですが、茶葉は捨てずに二煎目を普通に淹れられます。上級のかぶせ茶でも同じことができます。
自家製ほうじ茶
約10分2〜3杯分
煎茶や番茶をフライパンで炒るだけで、ほうじ茶になります。香りが落ちてしまった茶の使い道として、一番確実な方法です。
材料
- 煎茶・番茶・茎茶のいずれか 大さじ2
- フライパン(油はひかない)、または焙烙(ほうろく)
作り方
- フライパンを中火で温め、茶葉を入れてください。油はひきません。
- 木べらで絶えず動かしながら、3〜5分炒ってください。煙が出るほど強火にしないでください。
- 茶葉が茶褐色になり、香ばしい香りが立ったら火から下ろしてください。
- すぐに皿やバットに広げて冷ましてください。フライパンに残すと、余熱で焦げます。
- 完全に冷めてから密閉容器に移してください。熱いまま蓋をすると湿気ります。
コツと注意 — 焦がすと苦くなるので、色より香りで判断してください。淹れるときは、熱湯で30秒ほど置きます。茎茶を炒ると、甘い香りが強く出ます。湿気てしまった茶葉も炒れば飲めますが、湿気とともに香りも落ちているため、元の香りが戻るわけではありません。
抹茶ラテ
約5分1杯(約200ml)
抹茶を先に少量の湯で練るかどうかで、仕上がりが決まります。ミルクに直接入れるとダマが残ります。
材料
- 抹茶 2g(茶杓2杯)
- 湯 30ml(70〜80℃)
- 牛乳 150ml
- 好みで砂糖またははちみつ
- 茶こし
作り方
- 抹茶を茶こしでふるってカップに入れてください。ここを省くとダマが残ります。
- 70〜80℃の湯を30mlだけ注ぎ、茶筅か小さな泡立て器で練ってペースト状にしてください。
- 温めた牛乳を注いで混ぜてください。アイスにする場合は、冷たい牛乳と氷を使ってください。
- 甘みは最後に足してください。抹茶の量を変えるより、砂糖で調整するほうが失敗しません。
コツと注意 — ここは加工用(製菓用)の抹茶で構いません。もともとミルクや砂糖と合わせる前提で作られているので、飲用グレードより向いています。逆に飲用グレードの上級品をラテにすると、繊細な香りがミルクに負けてしまい、割に合いません。
茶粥
約30分2人分
米を茶で炊いた粥です。奈良を中心に日常食として続いてきたもので、ほうじ茶や番茶のさらりとした渋みが、油気のない米によく効きます。
材料
- 米 1/2合
- 水 1L
- ほうじ茶または番茶 10g(茶袋に入れる)
- 塩 少々
作り方
- 鍋に水と茶袋を入れて沸かし、3分ほど煮出してから茶袋を取り出してください。
- 洗った米を入れ、蓋をせずに強めの中火で炊きます。
- 15〜20分、米が好みの柔らかさになるまで炊きます。かき混ぜすぎないでください。粘りが出て、粥の身上であるさらりとした口当たりが失われます。
- 塩で味を調えて火を止めてください。すぐによそってください。置くと米が水を吸って重くなります。
コツと注意 — とろみをつけず、さらさらの状態で食べるのが茶粥です。そのため、蓋をせず、混ぜすぎないようにします。番茶の渋みが、油気のない米に輪郭を与えます。梅干しや漬物と合わせるのが定番です。焙じたての自家製ほうじ茶を使うと、香りが立ちます。
茶殻の佃煮
約15分小鉢2〜3杯分
淹れ終わった茶葉を、捨てずに食べてしまいます。玉露や上級煎茶の茶殻は柔らかく、そのまま食べられます。
材料
- 玉露・かぶせ茶・上級煎茶の茶殻 1回分(軽く絞る)
- 醤油 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 酒 大さじ1
- ちりめんじゃこ 大さじ2(好みで)
- 白ごま 適量
作り方
- 茶殻を軽く絞って水気を切ってください。強く絞りすぎないでください。
- 鍋に醤油・みりん・酒を入れて煮立てます。
- 茶殻とじゃこを加え、汁気がなくなるまで中火で炒りつけます。5分ほどが目安です。
- 火を止めて白ごまを振ってください。冷めてから冷蔵庫で2〜3日もちます。
コツと注意 — 茶葉のβカロテンやビタミンEは脂に溶ける成分なので、湯には出ず茶殻に残ります。飲むだけでは摂れないものが、食べれば摂れます。それがこの料理の理屈です。ただし向くのは覆いをかけた柔らかい茶葉で、番茶やほうじ茶の茶殻は硬く、向きません。
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